こんにちは、ダンナです。
今回は11月から楽天証券やSBI証券でも取り扱いの始まった、米国変動金利優先証券ETF『PFFV』について調べていきます。
似たようなETFですと『VRP-Invesco Variable Rate Preferred ETF-』がありますが、こちらは日本での取り扱いがありません。
そこで今回はグローバルX社が運用する『PFFD』と比較して、その特徴を見ていきたいと思います。
※2023年7月更新
そもそも優先株ETFとは?という方は、以下の記事が参考になると思います。
それでは始めます。
PFFVとは
PFFVの基本情報は以下の通り
名 称:Global X Variable Rate Preferred ETF
開始日:2020年6月22日
投資金額:$27.28(2021年12月3日現在)
分配頻度:月次
分配利回り:5.18%
経費率:0.25%
AUM(運用資産残高):$89.21M
昨年上場して間もないETFということもあり、取引高は比較的少ないです。
分配利回りは5%以上あるため、高配当好きも満足のゆく利回りです。
PFFDとPFFVの比較
つぎにPFFDとPFFVを比較していきます。
一番目に付く箇所としてはAUM(運用資産残高)でしょう。
PFFVが上場したのは昨年とはいえ、PFFDと比較すると約28倍の差があります。
その差は一日平均取引量にも現れています。
しかし、分配利回りにおいてはPFFVが少し勝っているようです。
※2023年7月現在では以下のようになっています。
緑は前回比プラス、赤は前回比マイナスです。
PFFVのAUMは増加傾向にありますが、PFFDは減少傾向にあります。
株価はFRBの利上げの影響を強く受け、依然として良いパフォーマンスではありません。また、保有銘柄数やPFFDの不調は、シリコンバレーバンクを始めとした米地銀への不安が影響しているものと思われます。
以下の記事にもありますが、米地銀混乱が広がり優先株への信頼が失われています。
優先株に歴史的なペースでの売り、米地銀混乱の影響波及で市場一変 - Bloomberg
以下はパフォーマンスを比較したグラフです。
PFFVが上場したばかりということもあり、短期間での比較になっています。
これだけみるとPFFVに軍配が上がりそうです。金利上昇局面では変動金利型のPFFVのほうが価格の下落率が抑えられているからだと考えられます。
次に保有銘柄の重複について調べてみました。
PFFDの銘柄のうち約29.7%はPFFVの銘柄が含まれており、
PFFVの銘柄のうち約78.8%はPFFDの銘柄が含まれている…ということでした。
PFFDを購入していれば、PFFVも買っているも同然ということでしょうか(過言かもしれません)。
しかし、PFFVで金利変動に対するヘッジをとらずとも、PFFDは安定したパフォーマンスを提供してくれるのではないかと期待が持てます。
PFFVのメリット
PFFVのメリットとしては以下があげられます。
経費率が比較的低い
優先株ETFのカテゴリーの中では比較的低い経費率で運用されています。
他ETFですと0.5%ほどが平均的な経費率です。
以前の記事でも紹介しましたが、個人が優先株に広く触ることができるにも関わらずこの経費率の低さはある程度納得の行く水準でしょう。
分配利回りが高い
低金利下においても5%超えの分配利回りは魅惑的なものでしょう。
金利上昇局面に強い
変動金利優先証券であるため、金利上昇局面においては高いパフォーマンスが期待できます。
毎月分配される
これは個人的にはメリットになりえませんが、毎月分配が好きな方にとっては嬉しいETFなのではないでしょうか。
PFFVのデメリット
AUM及び取引量が少ない
PFFDと比較すると、まだまだ成長途中ということでしょうか。
今後がどうなるのか、期待したいところです。
値上がりは期待できない
これは優先株ETF全般に言えることですが、値上がり益は期待できません。
さらにPFFVは平均残存年数が低いため、値上がりが限定的であると言えます。
PFFDと比較して経費率が高い
もはや誤差の範囲ではありますが、0.02%ほど経費率が高いです。
所感
PFFVはPFFDよりも魅惑的な商品となり得るのかというと言うに対して、ダンナの所感では微妙というのが正直なところです。
僕のポートフォリオにおける優先株ETFの立ち位置は”債券”に分類されています。インカム目的で持っているため、キャピタルゲインには差程期待していません。
増配率を考慮した分配金や、キャピタルゲインも求めるだけであればSPYDやHDV、VYMのような高配当株ETFに投資すれば良いと考えています。
とはいえ、PFFVの分配利回りは魅力的です。PFFDを購入していなければ、再考の余地があると思います。個別銘柄も然り、ETFについても多くの銘柄を保有したくないダンナにとっては購入の対象にはなり得ませんでしたが、メリットとデメリットを把握した上で投資するのも一興かもしれません。
(追記)
優先株への信頼が落ち込む今、株価は依然としてパッとしません。
安定的なインカムが得られる一方、株のように値上がり益が狙えるものでもなく、債券のように安全性の高い商品でもないため、信頼性に乏しいのでしょう。
また、短期金利が5%前後(2023.07現在)である現状を鑑みるに、わざわざ優先株へ投資する旨味というのは少ないのかもしれません(高配当株にも言えますが…)。
以下の記事では今が狙い目!美味しい相場!と書いてあります。
GlobalXの記事であるため、ポジショントーク感も否めませんが、一つの参考になるかもしれません。
配当狙いの投資家必見!米国優先証券の利回りが魅力的な水準に | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
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