こんにちは、ダンナです。
突然ですが皆さん、「ノートルダムの鐘」という作品をご存じでしょうか。
私は小説、劇団四季、ディズニー映画のどの話も好きです。
シェイクスピアなどの悲劇や喜劇も好きですが、群衆心理の恐ろしさというものが垣間見えるため、特に好きな作品の一つです。
人の心は熱狂の渦中にあると危機や罪に対して麻痺し、また、これが常ではないと悟りながらも歯止めが利かなくなるものだと教えてくれます。
これは株式投資における「バブル」についても同じことが言えると考えています。そのことについて書かれた作品に「狂気とバブル」があります(今回のタイトルはそこから頂きました)。150年以上読まれ続けている作品で、株式投資に興味がない人でも楽しめると思います。
今回はバブルの歴史や崩壊のタイミングについて触れながら、「僕は今後どのように備えるべきなのか」と漠然とした不安を払拭するために何について学んだのかご紹介していきます。
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はじめに
なぜバブルについて書こうと思ったのか。理由はシンプルで、恐怖と向き合いたいと考えたからです。怖いと思うのは大抵相手を知らないからであると考えています(相手を知ることで増す恐怖というのもありますが)。
株式投資を始めたころは、なぜ価格が下がっているのか分からず、漠然とした不安を覚えていました。この話をするとリスクの取りすぎと言われますが、リスクは破綻リスクであり、金融業界において説明されるボラティリティではないのでは?と常々考えていたため、値下がりそのものというよりは「この株(又はファンド)を持っていても大丈夫なのだろうか(ゼロにならない?)」という不安が初めに襲いました。
これを解決するために、私は上場廃止の条件や事例、インデックスファンドの組成について勉強しました。すると驚くほどに冷静でいられ、また価格ではなく商品そのものと向き合うことができました。
しかし、不安というのは次々に沸き、本当にファンドそのものは健全なのか、ETFという商品はバブルを焚きつけているのではないか、通貨の価値そのものが危ぶまれるのではないか、と留まるところを知りませんでした。
生来、株式投資のようにリスクをとる行為に不向きなのもあるかも知れません。しかし、不向きであるからと目を背ければ現状は変えられないため、進むために不安を一つずつ解消することにしました。
そのおかげもあり、コロナバブルでは多少の動揺はあっても、特別慌てることもなく、むしろ購入したいと思っていた商品を買い漁ることができたので、すこしは勉強の意義があったのではないかと思います。リーマンショックほどではないですが、大きな衝撃を群集に与えたことには変わりありません。
今回、このようにつらつらと書き綴ろうと考えたきっかけに、自分への備忘録であると同時に、同じような不安を抱えている方に向けて「僕はこうやって納得したよ」という参考として読んでいただければ嬉しいです。
ファンドに対する不安
皆さんはインデックスファンドやETF(特にパッシブ型)に対して、どの程度信頼を置いていますか?
実のところ私は未だに少しの疑念を抱きながら投資をしています(現状における最適解だと思っているので投資をしていますが…)。
リーマンショックがなぜ起きたのかを知っている人はファンドや格付け会社、証券業界の人たちに対して信頼していないという人は少なくないでしょう。
そもそもの話、どのようにインデックスファンドが組成・取引されているのか、ETFはなぜリアルタイムで内包している株式と連動して株価が動くのか、ご存じですか?
そういった「別にそこまで知らなくても投資は出来るじゃん」と言われるような事かもしれませんが、私は納得がいかないと不安に思う性分であるため、主に書籍を基に学んできました。
そんな不安を緩和・払拭させてくれたのが以下の書籍です。それぞれ、どのように役に立ったのか軽く紹介します。
タイトルにある通り「インデックス投資をしなさい」という本です。個別株投資ではなく、なぜインデックス投資が最適解となりうるのかについて、データや歴史を基に解説してくれます。
この本の良いところは「大きな下落があってもインデック投資を信じることが出来る」というところです。
必ず儲かるとは言いませんが、如何に合理的な投資なのかということが理解出来れば、暴落がおきた際も強く保持することが出来ます。
僕が常々言っていることですが、自分が思っているよりもリスク許容度は高いと思わないことです。理解していないものに投資をすれば、必ず狼狽売りをしてしまいます。
これはそもそもETFというものが信頼できなくなった時に読んだ本です。
なぜETFはリアルタイムで価格の変動ができるのか、ということを理解できず、リーマンショックのように致命的な欠陥がETFにもあり、その致命的な欠陥がキッカケで「ETFバブル(又はインデックスファンドバブル)」というものが崩壊したとき、私が持っている商品は全て紙くずになってしまうのではないか…。と、不安になったことがあります。
結論から言えば、これは不安が払拭されませんでした。ETFという商品が素晴らしい商品であり、信頼に足るものであるという結論には至りましたが、それを販売する金融業に対して疑念を抱いてしまっている以上、いつかETFが悪さをしそうだな…と思います。
しかし、プロ向け(特にマネージャーとか)の書籍ということもあり、ETFの組成や理屈について学ぶことが出来たため、矛盾したことを言うかもしれませんが、私の保有資産はほぼETFとなりました。学ぶことで、ETFというもの自体は素晴らしいと理解出来たからです。この不安の払拭方法は別で話します。
投資対象に対する不安
投資を続けていると、本当にこのままで良いのか不安に思うときが、一度は来ると思います。たとえば、近年で言うと「S&P500とオルカンどっちがいいのか」という論争です。そもそもオルカンがどう言った商品で、どんなときに強くて、どのような動きをするのか…ということを理解出来ていない人が騒いでいるだけに見えます。
個人的には指数がどうか、よりも商品の相関関係やシャープレシオの方が気になりますし、それ以上に先述しましたが「パッシブ型」の資産運用が与える株式市場への影響の方が気になります。
インデックス投資は理論的には最適解とされますが(僕も思います)、個々の最適解が株式市場に対して最適解か…と問われると、それは否だと思います。合成の誤謬というやつです。
最適解だけれども、しかし最悪のストーリーを考えたうえで資産運用を続けるために、以下の本が役に立ちました。
こちらは実務の本。経済学者が書いた難しい本ということではなく、プロの機関投資家が何を考えて運用しているのかを解説している本です。
リターン予測、リスク予測、ポートフォリオ構築という構成で話が進んでいきます。
経済ニュースや書籍で共用語として扱われるリスクとリターンについて詳しく解説してくれているという点も好きなのですが、オススメすべき点は三つ目のポートフォリオ構築についての解説でした。
そもそも「ポートフォリオ」を組む上での考え方から教えてくれます。個人投資家の多くは(僕含め)、ポートフォリオをどうするのか深く考えずに投資し始めた人が多いのではないでしょうか。それ以上勉強をしてこなかった方で、今後も必要としていない方にとっては無意味かもしれませんが、自分にとり心地よい資産運用を続けていきたい方には必見かなと思います。ポートフォリオの例を幾つか紹介もしてくれているので、理解がしやすいかもしれません。
正直これはオタク向きです。多分プロ向け。しかし、個人投資家が読んでも意味ないのか…と聞かれたら、僕みたいな疑り深い人間には良書となります。一冊9000円もしますが、余裕がある人は読んで欲しいです。本当に面白い。
アセットアロケーションを考える上で重要なリターンの考え方について学べる他、アセットクラスの配分をどうすべきなのかも学べます。
正直、個人投資家がここまで考える必要があるか?と問われれば、多くの人には否となりますが、納得して資産運用をしたい人にとっては取捨選択をする術を身につけることが出来るので良い書籍かと思います。
この本と「ETFハンドブック」のおかげでETFでアセットの分散をすることで、ETFバブル(というものがあったとしたら)を幾分か緩和出来るかもしれないな~と納得させることが出来ました。まあ、ETF(とくにパッシブ型)に対しての不安を完全に払拭出来ていないので、あくまでも納得…かな…。せめてアセットアロケーションの分散をすることで納得させています。疑いすぎも良くないからね。
ただ、そんな不安症な僕でも納得が出来るくらいの情報が詰まっています。
通貨に対する不安
金本位制により通貨の裏付けがあった兌換紙幣から、管理通貨制度に行こうし不換紙幣が一般的になっている昨今。いつか円やドルが紙くずになるのでは?!と不安に思った方はいませんか?私は常々考えています。
実はETFに対する不安を払拭したのは以下の本を読んだからで、結局は金って強いな~と思い、現物金を保有したらだいぶ落ち着きました。
そもそもとして暴落により価値が下がるということよりも、破綻やデフォルトをリスクとして考えている人間なので、金という分かりやすい現物資産があれば落ち着くんですよね。今更ながら遠回りした…。
後から知りましたが、僕みたいな人間をゴールドバグ(金の虫)と言うらしいです。金ETFも購入しているのですが、信頼しきれない人間は僕みたいになるようです。心配しすぎな面が大きいですけどね。
そんな通貨を信用しきれない僕が読んで、通貨に対して一定の信頼が得られたと思った書籍はこちら。
・21世紀の貨幣論
通貨の価値というものを理解するうえで、貨幣の歴史を学びというのは非常に有意義でした。ほかの本は読まなくてもいいから、この本だけでもどうにか読んで欲しいと思うくらいに良い本だった…。
この本を読んだおかげで、過度なゴールドバグにならずに済んだとも言えます。
一番懸念していた「通貨が紙屑になる」状況に陥った場合、歴史上ではどのように対処されていたのかも紹介してくれているので、では自分はどのように準備しておこうかと考える材料となりました。
何度も言いますが、僕みたいな疑り深い人間でなくとも、ぜひ読んで欲しい一冊です。というか、絶対読んで…(切実)。
バブル崩壊に対する不安
バブル崩壊による価格の暴落については、実はそこまで恐れていません。合理の人間だと経験則上わかったので、次の暴落が来ても大して動揺しないと思っているからです。
では、どんなことを恐れているのか…というと、インデックスファンドが株式市場全体に齎す影響について、把握しきれていないというのが不安の種でした。先のセクションでも話をしましたが、今はもしかしたら「ETFバブル(インデックスファンドバブル)」の状況なのかもと常々思っています。
たとえば、インデックスファンドの積立が続けば、株価への評価が実態と乖離してしまい、健全な株式市場が維持できなくなるのではないか。
たとえば、インデックスファンドを解約するフェーズに来た場合、一斉に売られる時期が訪れてしまい、価格の暴落に歯止めが聞かなくなるのではないか。
たとえば、インデックスファンドの運営側の不正やリスク管理の甘さにより、ファンドに対しての信頼が失墜する事態が起きるのではないか。
などなど、最悪のシナリオを考えればキリがありません(まだ思いつきます)。
何度も言ってしまいますが、個々の最適解が株式市場に対して最適解とは限らない。これも合成の誤謬を恐れての不安です。
また、そうでなくとも株式市場というのは同じ歴史を繰り返します。投資対象や過程は違えど、大局を見ると繰り返し同じことが起きているのです。
以下の書籍をひとつずつ紹介すると、他の書籍の比にならないほどに文量が増えるため、需要があれば紹介します。お気軽にコメント下さい。
どの本を読んでも満足出来ますし、四冊読めば相互補完し合って、理解を深めることが出来ます。
どれか一冊なんて選べないよ…という方は、まずはレイダリオ著の「世界秩序の変化に対処するための原則」をオススメします。他の書籍は歴史書になるため、興味が無い人やそこまで必要性を感じていない人には退屈さを感じるかも知れませんので…。まあ、この本を読んだ後はきっと他の三冊も読みたくなるはず…。
・狂気とバブル
・バブルの経済理論
・バブルの世界史
・世界秩序の変化に対処するための原則
さいごに
以上が僕の不安や疑問を軽減・払拭してくれた書籍でした。
比較的最近の本が多いのですが、昔の本でも参考になるものが多かった一方、紹介するには古すぎるため最新情報も含まれたものが良いかな…?というのが正直な感想です。
とはいえ、その本も含めて今の自分がいて、どんな時でも冷静に(の、つもり)資産運用を続けていられるので、もし紹介した書籍だけだとまだ不安だよ…という方はコメント下さい。それぞれに対して追加で書籍を紹介します。まあ、これで事足りると思っていますが。
皆さんにとり投資との心地よい距離感が掴めますように。